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こらむ   自動車と落書き
 前回は道路特定財源のコラムを書きましたが、今回は自動車にかかる維持費の話です。
 5月頃、手元に一通のはがきがきました。タイトルは「自動車税納付のお知らせ」。 これも立派な道路特定財源。自動車を持っているだけで課税されます。 私は、毎年4万円弱を納税しています。
 次に届いたのが、「自動車保険料お支払いのお知らせ」。 今まで12年間、無事故無違反ですので、保険料は随分安く済んでいますが、それでも10万円弱は支払わなくてはいけません。
 そして、このところの原油高。レギュラーガソリンで180円/Lに到達してしまいました。 10km/Lの車を年間1万km走ると、これだけで18万円! もちろん、ガソリン税が暫定税率とともに課税されていることは言うまでもありません。
 さらに、2年に1回車検がやってきます。最低10万円かかります。 この車検費用の中には、道路特定財源である自動車重量税が含まれています。
 ということで、自動車には年間30〜50万円の経費がかかっています。いくらなんでも高すぎませんでしょうか。 ただ、私が住んでいる名古屋では、自動車なしではちょっと生活に困ってしまいます。 自動車があると便利ですし、ドライブしていると気分転換できますよね。 しかし、交通事故の危険もありますし、大量の二酸化炭素を排出してしまうという問題もあります。 旅行やドライブなど、たまに乗るのはいいかと思いますが、毎日の通勤などはできるだけ公共交通機関を使うことを心がけたいと思っています。
 話がガラッと変わりますが、線路沿いの壁の内側や地下鉄のトンネルの中など、どうやって書いたのだろう?と思うようなところにも、 いたるところで落書きを目にします。これは万国共通です(むしろ欧米の方が多いくらいです)。
 落書きというのは単なるイタズラから政治的・社会的メッセージを主張するものまでいろいろあるようで、特に芸術性の高いものは「グラフィティ」と呼ばれ、区別されるそうです。 そもそも古代から落書きする風習があり、その落書きを解読することによって当時の社会や生活を読み取ることができるそうで、歴史学的には貴重なものもあるようです。 カンボジアのアンコール・ワットには、江戸時代に日本からやってきた武士、森本一房の落書きが残っており、この落書きから彼が寛永9年(1632年)にこの地を訪れたことが判明しています。
 さて、海外でも日本でもそうですが、落書きに使われる文字が似ていることに気づきました。 そこで、グラフィティについて調べてみました。 グラフィティはヒップホップの四大要素の内の一つだそうで(残りの三つはラップ,ディスクジョッキー(DJ),ブレイクダンス)、1970年代にニューヨーク市内の壁や地下鉄に描き始めたのは最初と言われています。 TAKI183というアーティストがクラフィティ文化を確立し、その後PHASE 2がグラフィティ文字でよく見かける泡のような文字「バブルレター」を作ったと言われています。 また角ばったゴシック体は1970年代後半にBLADE&COMETによって作られたそうですが、いずれもスプレー缶で短時間で書ける手法として開発されたものです。 現在のグラフィティは、いずれかの影響を受けているため、どこの落書きも文字が似ているんですね。 逆に、これらの文字で書かれていれば、政治的・社会的メッセージを訴えていると理解して良いのでしょう。 冷戦時代には、ドイツのベルリンの西ベルリン側の壁に多くのグラフィティが描かれており、当時の人々の訴えがグラフィティとして表現されていました。
 もちろん、落書きは「建造物・器物損壊罪」に該当する場合がほとんどですので、公共の場所で落書きしないようにしましょう。