地球温暖化とクールビズ
突然ですが、このコラムを書いている本日の最高気温は37℃です。暑い……。(^o^; 昔は、32〜33℃に達すると「おぉ〜」という感じだったような気がしますが、 今では最高気温が35℃以上の日を「猛暑日」と言うそうで、35℃を超えるのが当たり前になってしまいました。確かに地球は暖かくなっています。 地球温暖化の原因は二酸化炭素濃度が産業革命前の280ppm(0.028%)から370ppm(0.037%)まで増大したことと言われていますが、 そんな難しいことを考えなくても、夏はクーラーで熱い空気を外に排出し、冬はストーブを焚いて暖かくしているわけですから、 熱くなる方向にしかいきません。 火力発電所の平均熱効率（熱から電気に変換する効率）が40%、自動車に至っては25%以下で、 100%から熱効率を引いた残りが『排熱』として地球に捨てられています。熱力学に『エントロピー増大の法則』というものがあります。エントロピーとは、『無秩序さ』を表す物理量で、 よく『整理整頓された部屋は、そのまま自然に任せておくと乱雑になる。勝手に整理されることはない。』という例えが用いられます。 専門的なことは省略しますが、人間が生命活動を行うとエントロピーが増大し、温度上昇をもたらすのは避けられないということです。 それでも、産業革命前は熱のバランスが地球と宇宙で釣り合っていたわけですが、 豊かさをもたらした産業革命は同時に資源の大量消費と人口爆発を引き起こしており、熱や二酸化炭素の発生量を増大させました。 人口について言えば、産業革命前の世界の人口は約6億人でしたが、2007年現在は約66億人、そして2050年には約91億人になると予想されています。地球温暖化の一番の解決策は、『人口を減少させ、不景気になる』こと。 しかし、この2つは、人類の繁栄の歴史に逆行することになり、現在の資本主義社会では到底達成不可能であると思われます。 （人口減少については、日本のように成熟した資本主義社会で起こっているため、どこかでサチュレートする可能性はありますが、 世界ではこれから発展していく国の方が多いことから、疫病が大流行しない限り、人口増加が続くものと思われます。） 地球温暖化を防ぐと言うことは、豊かさを捨てることと言っても過言ではありません。あなたにそれができますか？ ちなみに、一般家庭でのCO2排出量は、年間5.1tだそうで、これを炭酸カルシウム（石灰石）として固定化し、週2回ゴミ出しするとなると、 1回当たり111kgのゴミを捨てに行かなければならないそうです。当面は、二酸化炭素の増大を防ぐことが重要ですから、原子力の活用（これはこれで別の問題がありますが）や、 現在の化石燃料（石油，石炭，天然ガス）の消費による炭素循環社会から、自然エネルギーからの水素製造などによる水素循環社会への移行などを 進めていく必要があり、そのための『技術開発』が重要になってきています。 ただ、アメリカではもっとすごいアイデアがあるそうで、地球が熱くなりすぎたら、宇宙に巨大な鏡を設置して、 太陽から来るエネルギーの一部をシャットアウトすればいいじゃないか、なんて言っている人もいるそうです。と、真面目は話を書いてしまいましたが、最近地球温暖化防止の取り組みの1つとして『クールビズ』というものが流行っています。 クールビズとは『エアコンの設定温度が28℃でも快適過ごせる夏の軽装』ということだそうですが、 実際には『夏の軽装』というところしか実践されていないような気がします。もっと言えば、『クールビズ＝ネクタイを外すこと』と思っている人が多いことです。 クールビズが流行る前は『客先でノーネクタイなんて無礼だ！！』なんて言っていた人が、 今度は『クールビズじゃないなんて、お前は地球温暖化防止に貢献する気はないのか？』ということになってしまうわけです。 しかも、ノーネクタイに関しては、未だに理解のない方もいらっしゃるわけで、客先にどんな格好で行けばいいのか、わからなくなってしまいます。私が嫌だなと思うのは、先ほどの人のように、世の中の価値観が変わると、それに併せて言うことが変わる日本人の多いこと。 『俺は最初からノーネクタイだぜ〜。夏も冬もEverydayノーネクタイ♪』『私はネクタイしていないと仕事している気にならないんですよ。』 と言っている人の方が、よっぽどカッコ良い気がします。そもそも、クールビズの目的は『エアコンの設定温度を上げて、二酸化炭素排出量を減らすこと』なわけですが、 実際は冷やしすぎのところが多いのが現状です。私のオフィスも寒いですし、電車やデパートの中も寒い。とても半袖のカッターシャツなんて着られません。 それでも世間は『けっ、あいつクールビズじゃねえのかよ。』ということになり、そういう目でしか見られない日本人はホントに嫌だなと思います。 本気で『クールビズ』なんていうのであれば、世の中のクーラーをすべてOFFにして、ネクタイなんかしていては熱中症になっちゃうくらいにしてしまえば、 ネクタイする人は自然といなくなると思います。一層のこと、ネクタイをするという文化そのものを捨ててしまえばいいんじゃないでしょうか。 元々日本にはなかったわけですし。和服で出勤、それも素敵ですね（笑）。