コラム −ドローン−

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こらむ   ドローン(Holy Stone トイドローン HS200 & ミニドローン HS170C)  
 人工知能(AI)やロボットなど、IoT(Internet of Things)関連の技術進展は目覚ましいですが、最近「ドローン」という言葉を耳にする機会が多くなりました。 元々は「(ブーンという)蜂の羽音」という意味ですが、「無人航空機」を指す用語として定着しつつあります。 海外では軍用機として活用され始めているようですが、民間機としても「農薬散布」「インフラ検査・測量」「災害調査」「空撮」「宅配便」などへの活用が期待されています。
 正しく使えば便利なドローンですが、墜落して人や物に危害を与えてしまうリスクもあります。 日本では、2015年4月22日にセシウム134,137を含む液体を積んだドローン(DJI製Phantom)が首相官邸に落下するという事件がありました。 悪用すれば、テロ行為にも使えてしまうわけです。
 これを契機に、2015年12月10日に「航空法」が改正され、以下のルールが決まりました(図は、国土交通省ホームページより引用)。
rule1
  • 空港等の周辺の空域(A)は飛行禁止。
  • 高度150m以上の空域(B)は飛行禁止。
  • 人口集中地区(DID,4000人/km2)の上空(C)は飛行禁止(ただし、バッテリーなどを含む重量が200g未満の「模型航空機」は適用対象外)。
rule2
  • 日中(日出から日没まで)に飛行させること。
  • 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること。
  • 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること。
  • 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと。
  • 爆発物など危険物を輸送しないこと。
  • 無人航空機から物を投下しないこと。
 以上は、2017年5月7日時点の情報ですので、詳細や最新情報については国土交通省ホームページでご確認下さい。また、各都道府県の「公園条例」で
  • 他の利用者に危険を及ぼすおそれのある行為をしてはならない。
に「ドローン飛行」が該当する場合があります。 例えば、大阪市は全ての公園でドローン飛行が禁止されています。 禁止されていない場所でも、近くに子供連れの家族がいればとても危険なので、人が多数集まる公園では基本的にドローンを飛ばしてはいけません。
 機体が軽ければ、万が一のことがあっても危害は小さくなる傾向があります(ただし、リスクゼロにはならないので、安全飛行を怠ってはいけません)。ということで、DIDでも飛ばすことができる200g未満の「トイドローン Holy Stone HS200」を購入してみました(写真は、クリックすると大きくなります)。
トイドローン Holy Stone HS200
Holy Stone HS200
 本体の重量は125g、内バッテリーは18gです。 3.7V,650mAhリチウムポリマー電池(LiPo)での飛行時間は10分程度なので、予備バッテリーを4個購入しました。 プロポ(リモコン)はモード2で、左レバーがスロットル(高低)とラダー(回転)、右レバーがエレベーター(前後)とエルロン(左右)です。 HS200には気圧センサーによる高度維持機能が付いているので、空中で静止させるホバリングがしやすいです。 また、機体の向きに関係なく前後左右の操縦ができるヘッドレスモードも付いているので、初心者に優しいドローンだと思います。
Holy Stone HS200 Holy Stone HS200
 本体には720pのカメラが付いているので、向きは変えられませんが、First Person View(FPV,一人称視点)での空撮が可能です。また、スマートフォンのアプリと連携することによって、リアルタイムFPVを楽しむこともできます。滋賀県高島市マキノ町のメタセコイア並木と、岐阜県不破郡垂井町のこいのぼり一斉遊泳、愛知県豊田市の豊田大橋&豊田スタジアムを空撮してみました。


Holy Stone HS200 Holy Stone HS200
Holy Stone HS200 Holy Stone HS200
Holy Stone HS200 Holy Stone HS200
Holy Stone HS200 Holy Stone HS200
Holy Stone HS200
 まだドローンの操縦が慣れないため、誰もいない早朝に飛ばしてみましたが、少し操縦を間違えるだけで遠くへ行ってしまうので、かなり神経を使います。 風があると、軽量のトイドローンは流されてしまうため、操縦が難しくなります。 一応、ワンキーリターン機能も付いているのですが、元の位置に戻ろうとせず、かえって操縦不能になってしまうので、使わない方が良さそうです。
 人や物に危害を与える心配も少なく、気楽にドローンを楽しみたいということであれば、屋内で飛ばすのが良さそうです。 ただ、壁や天井に激突してプロペラやフレームを破損してしまう恐れがありますので、6〜8畳の部屋で飛ばすのにHS200は大きすぎる感じがします。 そこで、「ミニドローン Holy Stone HS170C」も買ってみました。
ミニドローン Holy Stone HS170C
Holy Stone HS170C
 本体の重量は53g、内バッテリーは10gです。 3.7V,350mAh LiPoでの飛行時間は5分程度で、プロポはモード2です。 ヘッドレスモードは付いていますが、HS170Cには気圧センサーによる高度維持機能が付いていないので、ホバリングが難しいです。 スマートフォンとの連携機能は付いていませんが、720pのカメラによる空撮は可能です。 風がなければ屋外で飛ばすこともできますが、機体が小さいので見失わないように気を付けなければいけません。
Holy Stone HS170C Holy Stone HS170C

Holy Stone HS170C Holy Stone HS170C
 ドローンは「前後」「左右」「高低」「回転」と4軸制御しなければいけないので、操縦が難しいです。 折角購入したドローンがいきなり操縦不能になって、ロストしたり破損したりしないためにも、「ヘリトレ iOS版 Android版」などのシミュレーターで練習してから、実際のドローンを飛ばすことをお薦めします。
 200g未満のホビードローンで、快適な空の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。