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こらむ   馬券と確率・統計学
 2007年現在、JRAでは「単勝」「複勝」「枠連」「馬連複」「馬連単」「ワイド」「3連複」「3連単」と実に8種類もの馬券が発売されています。 1991年までは「単勝」「複勝」「枠連」しか発売されていなかったわけですから、随分増えたものです。
 ちなみに、みなさんはどのように配当金が決まるのか、ご存じですか? 詳しくは、JRAのホームページに掲載されていますが、 「馬連複」「馬連単」「3連複」「3連単」は簡便的に下記の式から求めることができます。
 オッズ=((総投資額)×7.38/(求める組合せの投資額)+1)/10
 ここで「7.38」という数字が出てきますが、最後に10で割っていますので実際は0.738です。 これは、26.2%が控除されることを意味しています。 実際の式では、求める組合せの投資額によって控除率は18〜26.2%まで変動することになっていて、正確に言うと26.2%は控除率の最大値ということになります。 一般的には約25%になることが多いので、控除率=25%と認識している人が多いのではないでしょうか。 ちなみに10%が国庫に納付され、残りの8〜16.2%がJRAの収入となって競走の賞金や運営などの費用にあてられます。 また、単勝・複勝は、控除率が5%低く設定されています。
 さて、まずは「単勝」を例に、オッズについて検証してみましょう。ここでは、簡便的に控除率を21.2%に固定して考えてみます。 16頭立てのレースで全馬に対して同額の投資があった場合はどうでしょうか。 「(総投資額)/(求める組み合わせの投資額)」が全通り「16」となりますので、オッズは12.7倍になります。 意外に低いですね。したがって、単勝12.7倍以下の馬は平均より売れている、12.7倍以上の馬は平均より売れていないということになります。 それでは、単勝2倍の馬への投資額は総投資額の何%にあたるのでしょうか。計算すると41.5%となります。馬券としては全体の半分も売れていないんですね。
 では、馬連複ではどうでしょうか。とします。16頭立ての場合、全組み合わせ数は「16×15/2=120通り」となります。 120通りに対して同額の投資があった場合、馬連の控除率を26.2%としてオッズを計算すると、88.6倍となります。 全通り購入した場合は、8860円以上の配当がつかないと損をしてしまうことを意味しています。 で、馬連複10倍の組み合わせへの投資額は、全投資額のたった7.5%しかありません。 これは、統計学的には的中する確率が7.5%ということを意味しているわけでして、1点買いしている人にとっては、7.5%の確率に賭けているわけです。 ちなみに、馬連単では16頭立ての場合の全組み合わせ数は倍の240通りになりますので、240通りに対して同額の投資が合った場合のオッズは177.2倍、 馬連単10倍の組み合わせへの投資額は、全投資額の3.7%ということになります。
 で、これが3連単になると、話はもっとスリリングになります。16頭立ての場合、全組み合わせ数は「16×15×14=3360通り」となります。 3360通りに対して同額の投資があった場合のオッズは、なんと2479.7倍です。 3連単100倍の組み合わせへの投資額は、全投資額の0.7%! 1点買いをしても当たる確率はたったの0.7%しかないのです。
 よく、3連単の予想で「1,2着固定」のフォーメーションの予想を見ます。しかし、1,2着馬をそれぞれ1頭しか選ばなかった場合、 その1,2着馬の馬連単のオッズが10倍であったとしても、その時点で的中確率は3.7%となります。 3着馬を6〜7頭選んだ場合は、さらに確率が半分程度に下がってしまうわけで、とても当たりそうにありません。 1着馬に2頭,2着馬に1着馬として選んだ2頭+それ以外の2頭の計4頭を選ぶと組み合わせが6倍になりますので、 3着馬を6頭選んだ場合は、確率が10%を超えますが、組み合わせ数が36通りとなります。 しかし、馬連複までしか発売されていなかったときは、馬連複6通り(通常は◎−○,◎−▲,○−▲,◎−△,◎−×,◎−注の6点)の予想をしていた専門家が、 3連単になると1,2着の軸馬を2頭に絞ったフォーメーションとするケースが多いのが不思議で仕方がありません。 それって馬連複しか発売されていなければ、◎−○の1点しか買わないことを意味するわけですから。 ただ、現実には馬連複であれば手広く買うはずなのに、3連単になると3着馬を広く買いたいばかりに、1,2着馬を必要以上に絞っている方が多いのではないかと思います。
 私の予想は予想BOARDを見ていただければおわかりの通り、馬連複中心の予想になっています。 これは、オッズとしてはそれほど高くなくても、5点買いくらいで確率よく的中させたいという想いがあるからです。 そもそも馬連複で2頭選ぶだけでも当たらないのに、3連単で3着馬まで当てなければならないとなると、予想も大変です。 同じ1万円を投資する場合でも、馬連複を各2000円5点買いと3連単各500円20点買いとどちらが当たりやすいでしょうか。 人気にもよりますが、的中確率は馬連複5点買いで20〜30%、3連単20点買いで10〜15%程度となります。 1日10レースくらいやって1レースくらいは当てたいところですから、やはり3連単の場合は20点くらい買うのが標準的であると思われます。 それでもって、馬連複25倍が的中した場合と、3連単100倍が的中した場合、払戻額としては同じです。 ただ、2強でどうしようもないときは、3連単で3着に穴馬が来て高配当というケースもあります。 レースのメンバー構成をみながら式別を上手に選択して馬券を購入したいところです。