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こらむ   バレーボールとマスコミ
 ある日の夕方。夕食を終えてテレビの前へ。私はほとんどテレビを見ないので、ドラマやバラエティにはあまり興味がありません。 テレビで唯一楽しめるのはスポーツ観戦。特に、作戦や心理戦,駆け引きのあるスポーツは見ていて飽きません。 一番好きなのはバスケットボール。たった5人でやるスポーツなのですが、インサイドからの攻めがあれば、アウトサイドからの3ポイントもある。 攻守やそれぞれのプレイヤーの役割もはっきりしていて、見ていると本当に面白いものです。 バスケットボール以外では、野球,アメリカンフットボールくらいでしょうか。心理戦という意味では、テニスやゴルフも楽しめます。 逆に、完全な個人戦である陸上や水泳はちょっと苦手。サッカーやラグビーも作戦があいまいなだけに、楽しみ方を理解していないところがあります。
 で、今回のタイトルは「バレーボール」。 日本シリーズも終わり、ゴールデンタイムにテレビをつけると、放映しているスポーツがたまたまバレーボール女子ワールドカップでした。 今年のバレーボールワールドカップは、日本で開催されています。
 しかし、「日本チャチャチャ」という応援はバレーボール特有だと思うのですが、頻繁に耳にするような気がします。 ただ、日本開催でなければ、そんな大声援が聞こえてくるはずがありません。 そもそも、バレーボールの国際大会が開催される機会も多いような気がします。
 そこで、バレーボールについてちゃんと調べてみました。 バレーボールの国際大会は、オリンピック以外に「ワールドカップ」「世界バレー」「ワールドグランドチャンピオンズカップ」がそれぞれ4年に1回あります。 すなわち、毎年大きな国際大会があるわけです。 このうち、2005年ワールドグランドチャンピオンズカップ,2006年世界バレー,そして今回2007年ワールドカップはすべて日本で開催されています。 どうりで、「日本チャチャチャ」を聞く機会が多いわけです。
 しかし、何故日本開催ばかりなのでしょうか。言い過ぎかもしれませんが、世界的にはバレーボールは不人気だからです。 日本では、ジャニーズ事務所(今回はHey Say Jump)を担ぎ出すことによってチケットや放映権の売れ行きは好調ですが、他国ではあり得ないことです。 したがって、採算の合う日本でやらざるを得ないというのが実状のようです
 まあ、それでも「東洋の魔女」と呼ばれていた頃のように強い日本代表チームが存在するのであればいいでしょう。 しかし、今回のワールドカップも、上位3チームにオリンピック出場権が与えられるということでしたが、それはやる前からイタリア,アメリカ,ブラジルで決まりというのは、素人でもわかります。 それなのに、あたかも日本が3強に入っているような中継をするマスコミ(今回はフジテレビ)というのは一体何でしょうか。
 最近のマスコミのスポーツ報道には、違和感を感じるところがあります。例えばビーチバレー。浅尾美和選手の特集ばかりです。 確かに、彼女の美貌は認めましょう。ただ、アスリートとしては国内の大会ではベスト4で止まっている選手です。 何故、優勝や準優勝したペアを報道せず、ベスト4の浅尾選手ばかり取り上げるのでしょうか。相方の西堀健実選手にも失礼な扱いが多いです。
 同じことは、男子プロゴルファーツアーにも言えます。マンシングウェアオープンKSBカップをツアー最年少で優勝して以降、マスコミは石川遼選手ばかり取り上げる傾向にありますが、 現在賞金王争いしているのは、谷口徹選手と片山晋吾選手であり、彼らを取り上げずしてハニカム王子の予選通過のニュースばかり流しているのはいかがなものかと……。 女子でも、宮里藍選手や横峯さくら選手,上田桃子選手を持ち上げていれば良いと思っているようです。失礼な話ですが、元賞金女王の不動裕理選手をそこまで持ち上げたことはあるでしょうか。
 テレビは視聴率が勝負なので、人気(美人?)選手にスポットを当てるのは理解できないわけではないですが、実力と人気が伴っていない場合でも無理に持ち上げる傾向がこのところ特に強く、 視聴者を呆れさせる報道は勘弁していただきたいものです。個人的には、バレーボール女子日本代表の実力は、バスケットボール女子日本代表とそれほど変わらないとおもいますが、 バレーボールだけジャニーズ事務所を担ぎ出してまで持ち上げられている点に、強い違和感を覚えます。バドミントンの「オグ・シオ」(小椋久美子・潮田玲子ペア)もしかりです。 確かに、昔のスポーツ選手に比べて美人が増えたのかもしれませんが、昔の選手がブスだったかと言えばそうではなく、最近の娘の方がお洒落を知っているだけのことではないでしょうか。
 ところで、そのバレーボール女子ワールドカップの中継を見て思ったことですが、あの日本代表監督の柳本晶一という人は何とかならないものですかねぇ。 バレーボールでは、どちらかのチームが8点および16点に達した場合のテクニカルタイムアウトの他に、1セットで2回のタイムアウトが取れますが、 柳本監督は、このタイムアウトの時に、何も指示を出されないんですよね。 「OK、OK」「気持ち切り換えや」「強気で行くぞ」なんてことは、監督でなくても言えるんですよね。タイムアウト中、無言のときもあります……。 NBAのタイムアウトのときは、ヘッドコーチは必ずバスケットボールのコートが描かれた小さなボードを持ち、マグネットを使って選手の動きを細かく指示するものです。 バレーボールでも、アメリカやブラジルは試合中にタッチパネル式のパソコンで相手チームを分析し、タイムアウト中に的確な指示をすると聞きます。 それに比べて、日本チームのタイムアウトというと、精神論の指示のみ。これでは勝てる訳がないと思うのは私だけでしょうか。