VineLinux3.2インストール奮闘記
家族から今使っているPCが遅い!ということで、Windows Vista Home PremiumがプレインストールされたTOSHIBA dynabook AX/55EPを購入しました。 それまで使っていたTOSHIBA dynabook Satellite 2210が不要となってしまったので、それならば一層のことLinuxを入れて軽くしちゃえ!ということで試してみました。
今回、ディストリビューションは、CD1枚の容量で納まる点を考慮し、VineLinuxを選択しました。 まず、http://vinelinux.org/からisoイメージファイルをダウンロードします。 PC/AT互換機にインストールしますので、i386版をダウンロードし、Windows XPパソコンでisoイメージファイルをCD-Rに焼きます。
そして、いよいよインストールの開始。まずBIOSでCD-ROMブートになっていることを確認します。 で、CD-Rを入れ、立ち上げると、
あっさりインストーラが立ち上がりました。ここからは淡々とインストール画面を紹介します。
(1)まず言語を選択します。もちろんJapaneseです。 | (2)次にキーボードの選択です。何もなければ自動的に最適なものが選択されています。「Japanese 106-key」になっていることを確認しましょう。 |
(3)マウスも自動的に最適なものが選択されているはずです。 | (4)ここからが本番という感じでしょうか。 |
(5)よくわからないので、フルインストールを選びました。 | (6)これもよくわからないので、自動です。(-.-; |
(7)基本的には問題ありませんが……。 |
(8)これは領域開放後の画面です。パーティッションの設定後は以下のようになっていなければなりません。 /dev/hda1 128MB ext3 boot/ /dev/hda2 5500MB ext3 / (容量=HDD容量-hda1-hda3) /dev/hda3 96MB swap (容量=RAMメモリ以上) |
(9)これはこのままでいいでしょう。 | (10)ここはプロバイダの設定にあわせます。 |
(11)アジア/東京を選びます。 | (12)アカウントの設定です。rootは管理者権限ですが、一般ユーザも1人くらい作っておきましょう。 |
(13)グラフィカルインターフェースもも自動的に最適なものが選択されているはずです。 | (14)いよいよインストール開始です。 |
(15)といっても、何もすることがありません。(^o^) | (16)インストールが終わると、モニタの設定をして……。 |
(17)設定のテストをすれば……。 | (18)ついにVineLinuxのインストールは完了です。 |
ということで、思ったより簡単にインストールができてしまいました。もう少し苦労すると思ったんですけどね。 しかし、ここで問題が発生。Ethernet LANボードが認識していないのです。 Boot画面をよく見ていると、Ethernetだけ「FAILED」の文字。どうやらドライバをきちんと認識していないようです。
で、調べてみると、「/proc/pci」にハードウェアの情報が書き込まれているそうなので、早速見てみました。 すると、左の画面のようにEthernetに関する技術がありますので、デバイス自体は認識している模様。 これを見て、初めて「Intel 82557 Ethernet Pro 100」というボードが使われていることを知りました(爆)。 次に、ドライバ情報が書き込まれている「/etc/modules.conf」を見ると、デフォルトでは「alias eth0 e100」となっていました。 どうやらこれを変えないといけないみたいです。「alias eth0 eepro100」に書き換えると、Ethernetが認識されました。 しかし、こんなところは普通触らないですよねぇ……。でも、USBポートが自動認識したのは逆に意外でした。
これで、OSとハードウェアの設定が終わりましたので、次は「OpenOffice.org」のインストール。 これがないと、Windowsで作ったWordやExcelファイルが読めないですからね。 で、OpenOffice.org2.3をhttp://ja.openoffice.org/からダウンロード。 ちなみに管理者権限をもつrootでログオンしないとインストールできません。さっそく「Setup」を実行すると、何と文字化け……。
直し方はいろいろありましたが、文字列の長さで適当にボタンをクリックし、インストールしました。 おそらく「フルインストール」したのでしょう(笑)。で、再起動しましたが、OpenOfficeがアプリケーションメニューに登録されていません。 そうなんです。あらかじめ「pgrep」を入れておかなければいけなかったんです。 http://www.ring.gr.jp/pub/linux/Vine/VinePlus/3.2/i386/RPMS.extras/から「pgrep-3.2.6-0vl0.2.i386.rpm」をダウンロード。 「GNOME」というUnixコマンドを入力するためのプログラムを立ち上げ、以下のコマンドを実行します。
# rpm -ivh pgrep-3.2.6-0vl0.2.i386.rpm
# rpm -Uvh --force openoffice.org-redhat-menus-2.3-9238.noarch.rpm
「rpm -ivh」は通常のインストール、「rpm -Uvh」はアップデートですが、この場合同じバージョンを強制インストールしなければいけませんので、 「--force」オプションを追加します。これで再起動すれば、無事アプリケーションメニューに登録され、Windowsで作成したWordファイルも読み込むことができました。
あとは、最新ブラウザの「Mozilla FireFox」とメーラ「Mozilla Thunderbird」をインストールしました。 これらは、Netscapeの後継ソフトですよね。 といっても、インストールしたいディレクトリに圧縮ファイルを置き、解凍してできた「FireFox」「Thunderbird」を実行するだけ。 ただ、この場合もアプリケーションメニューに登録されないので、下の画面のように自分で設定ファイル「FireFox.desktop」「Thunderbird.desktop」を作成し、 「/usr/share/applications」ディレクトリに保存すればOKです。
次に、せっかくLAN HUBを介してWindowsパソコンとつながっているのであれば、ファイルの共有くらいしたいと思い、いろいろ調べてみると、 VineLinuxからWindows側を覗くだけなら簡単そう。それでも「samba」というソフトが必要なようで、これは「日本sambaユーザ会」 http://www.samba.gr.jp/project/samba-ja/download_2.2.html から「samba-2.2.11.ja-1.rh9.i386.rpm」をダウンロードしました。 これはRedHat9用ですが、VineLinux2.6用では上手く動かず、こちらが正しく作動しました。 あとは、インストールするだけです。
# rpm -ivh samba-2.2.11.ja-1.rh9.i386.rpm
(Windowsネットワークを有効にする)
# mkdir /mnt/Win_XP
# smbmount //共有PC名/共有ディレクトリ名 /mnt/Win_XP -o username=Administrator,password=
Windowsネットワークを有効にするには、アプリケーションメニューのシステム・ツールのネットワークの設定から行います。 これで「/mnt/Win_XP」ディレクトリからWindows共有ディレクトリが見えるはずです。
最後に苦労したのがプリンターの設定。 アプリケーションメニューのシステム・ツールからCUPS印刷マネージャーを起動し、私が持っている「EPSON PM-930C」を選択すると、 見た目は無事インストールが完了したように見えるのですが、いざ印刷をしてみると紙送りされるだけで、印刷される気配がない……。 どうやらデフォルトで入っているドライバ「gimg-print-ijs」は死んでいるようです。
仕方がないので、EPSON AVASYSのホームページhttp://avasys.jp/index.htmlからドライバ「Photo Image Print System」をダウンロードしました。 インストールの方法は今までと同じですが、インストール後が大変でした。
# rpm -ivh pips930-cups-2.6.2-2.i386.rpm
(1)まずブラウザからhttp://localhost:631へアクセスし、上の黒いメニューからプリンタをクリック。 | (2)プリンタ追加をクリック。 |
(3)名前の欄にプリンタ名を記入。他は空欄のままで次へ。 | (4)今回はUSB接続ですので、USB Printer #1を選択(USBの場合、正しく接続されていれば、プリンタ名が表示されるはずです。) |
(5)EPSONを選び……。 | (6)PM-930Cの「Photo Image Print System (en)」を選択。 ここで間違えても「gimg-print-ijs(en)」を選択してはいけません。 |
(7)これで完了のはずですが、デバイスURIを見ると「usb://EPSON/PM-930C」となっています。 これでは印刷できません。これを変えるためには「etc/cups/printers.conf」を書き換える必要があります。 | |
(8)デバイスURIを「usb:/dev/usblp0」(またはusb:/dev/usb/lp0)に書き換え、上書き保存。CUPSを再起動するためには、下記のコマンドを実行します。 # etc/init.d/cups restart |
LANを介してWindows共有フォルダにアクセスできるのであれば、共有プリンタにも出力できるのでは、と思いいろいろ調べましたが、 今回のドライバ「Photo Image Print System」は、Postscriptで出力されるため、Windowsに印刷するためのGhostscriptと自動処理するRedmonをインストールし、仮想Postscriptプリンタを介して印刷しなければいけないようです。 詳しくはhttp://www-seis.planet.sci.kobe-u.ac.jp/~kakehi/redmon/redmon_gs_smb.htmlに書いてありますが、 今回は断念しました。
しばらく使っていると、どうも日本語変換システムが使いにくい……。 デフォルトでは「Kinput2」+「Canna」になっていますが、これを「SCIM」+「Anthy」にすると、ATOKそっくりになるらしい。 ということで、今回は「apt-get」を使ってインストールしてみました。まずは、「apt-get」そのもののアップデートを。
# apt-get upgrade
# apt-get update
そして、SCIMとAnthyをインストール。非常に簡単です。
# apt-get install scim anthy scim-anthy
本当にインストールはこれだけです。あとは勝手にやってくれます。 ただ、残念なことに、SCIMを使うためには設定が必要です。まず、 http://ftp.kddilabs.jp/pub/Linux/packages/Vine/VineSeed/i386/RPMS.main/ から、「vutils-1.37.0-0vl1.noarch.rpm」をダウンロードしてインストール。
# rpm -ivh vutils-1.37.0-0vl1.noarch.rpm
最後に、IMEに「SCIM」をセットし、再起動すると、「Anthy」が使えるようになります。
# setime scim
これで、ようやくすべてのインストール完了です。お疲れさまでした。(^o^)